« 新潟SAKE出張報告 | トップページ | なでしこ酵母の麦焼酎 »

2008年3月21日 (金)

村山節考・・村祐、旨さの秘密

Murayu

先日、新潟でまた1年ぶりに「村祐」の村山さんと再会することができました。またまたハシゴ酒にお付き合い頂きまして感謝しています。いつもいつも笑わせてもらっています。本当に楽しい酒です。
先日、NHK・BSハイビジョンで放映された「アインシュタインの眼・命宿る酒」の中で、想天坊の名杜氏・郷良夫さんが、酒には杜氏の気概が反映されていることをおもしろく例えて「よく、酒飲むと喧嘩するクセがあるっていうのがあるけれども、それは(杜氏が)造るときにそういう喧嘩っ早い(気持ちの)ときだと、それを飲むと喧嘩しやすい酒がつくれてしまうのではないかな」と言っていましたけれど、それにかけて、「今日も村祐を飲みながら下ネタ全開なのは、やっぱり村山さんが仕込むときにエロいからでしょ」などとみんなで囃し立てたりしましたが、ごめんなさいね・・・色っぽい話が出るくらいが本物の美酒なんですよね。

今日は「村山節考」と題して、会うたびに惹きつけられる村山さんと「村祐」について勝手なことを書き記します・・(2007.3.25.掲載を再校)

村山さんは、東京農大で醸造を勉強し、卒業後に他の酒造蔵で1年間の修行を経て、実家の村祐酒造に入ったそうですが、そのころの実家の蔵の状態は良いとは言えない状態だったようです。ちょうど村山さんが大学を卒業する頃には、杜氏さんが病気で引退してしまい、蔵を2年間休業されていたそうです。
村山さんは生産石数200石という非常に小さな蔵でマイナスから出発し、自身が杜氏となって試行錯誤を繰り返し、「他を拠り所とせず自らを灯明として」前進しました。そして彼の「天性と苦労のコラボ」はすぐに具現化されます。22歳で初めて仕込んだ酒が全国の鑑評会で金賞を受賞したのです。そしてその後も入賞を続けます。しかし、村山さんは平成14年から品評会への出品を止めてしまうのです。それは、「自分の造ったお酒が本来評価されるべき場所は品評会ではない。評価されるべきは、まさにお客様に飲んで頂ける市場である」という思いからでした。彼は、品評会での入賞を目的とした酒造りでなく、「自らの目指す理想の味と感動を共有して頂けるお客様に楽しんで頂きたい」というポリシーによって「村祐」という銘柄を誕生させたのでしょう。
村山さんは実家に戻る前の東京住まいの頃は、深夜のアルバイトに明け暮れていた時代があり、仕事明けの朝に出勤のサラリーマンたちを横目で見ながら朝酒を飲んでいたとか。そんな東京暮らしの中で、天才は無意識の内に「都内の消費者や勤め帰りの酒場ではどういった酒が飲まれているんだろう。飲み手側からしてどんな酒質が受け入れられているのだろうか」などとリサーチしていたのかもしれません。
あるとき彼は「日本酒は日常酒として最適かどうか」自分に対してハッキリさせたいがために、まずビールを1ヶ月休まず飲み続けたことがあるそうです。飲みたくない日も取りあえず飲んだという「ためしてガッテン流」です。「後半で飽きてしまう」という結論の次に、今度は「ウィスキー」を試してみたとか。この毎日は地獄だったようです。最終的にあらためて日本酒を飲み続けて「飽きのない日本酒を造れる。造ろう」ということだったそうです。
また、村山さんの追求する酒質の中で一つ大きなイメージを持っているのが「和三盆糖」です。高級和菓子に使用されるそれは、和三盆だけを口にしてみれば良くわかるのですが、上品な甘みが口中に軽やかに広がり、甘みの拡散に質量を感じさせません。ベタベタしない、くどくない甘さです。そして余韻を僅かに残してさっと引いて行く潔さがあります。村山さんは大金を惜しまずに和三盆糖を相当量買い込んできて、その「甘みの透明感」の研究に没頭したときがあったそうです
こういったように、数値偏重でなく、回り道を惜しまず、そして自分の感性を信じることが、村山流だと思います。
もう一つ大切なこと、それは、村山さんと酒を酌み交わすたびに楽しいこと!彼は酒を飲むときにあまり酒造りの話はしたくありません。まわりのファンや飲食店主は、ここぞとばかりに彼の酒質について問うていきたいわけですが、彼としては「飲み会のときぐらいは、ヒュルヒュルと利き酒せずに、ぐびっと飲め。俺は適当に造ってるんだから、村祐は適当に飲んでくれ」などと、はぐらかしながら、場を和ませてくれます。気取らずに、チェーン店でもなんでもハシゴをして、〆のラーメンまでの間に楽しい酔いを実感させてくれます。そうやって我々一般人と同じ目線で酒を味わい、同じグラウンドを知ってくれているので、直球で旨く、口に馴染みやすく、飽きの来ない酒を造れるんじゃないかなとも思います。まさに村山さんの目指す酒は「あたりが柔らかく、キレが良く、酔い心地の綺麗な酒」なんです。とりQでは、村祐ファンは女性も多いことも飲みやすさを象徴しています。
そんな村山さんの人物像をとりQのお客さんも少し知って頂いたら、次回ご来店の時にはさらに「村祐」が美味しく感じられることでしょう。今なら、「亀口取り」がありますし・・


« 新潟SAKE出張報告 | トップページ | なでしこ酵母の麦焼酎 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110048/14401048

この記事へのトラックバック一覧です: 村山節考・・村祐、旨さの秘密:

« 新潟SAKE出張報告 | トップページ | なでしこ酵母の麦焼酎 »