
パラリンピックが始まりました。開会式もオリンピックと同様にチャン・イーモウが演出監督を務めたということで、盛大に行われましたが、今日から行われる各競技はやはりメディアの露出度が少なすぎると思います。デンマークなどの諸外国はパラリンピックの選手に大変脚光が浴びるようですが、日本はまだまだです。真夜中に眠い目をこすりながらサッカー・バーレーン戦を見るのもいいんですが、パラリンピックも見どころたくさんだと思いますよ。開会式で旗手を務めた「2メートルを飛ぶ義足のハイジャンパー」を始め、競技者の晴れ舞台にはそれぞれの凄まじく熱いドラマがあるのです。今日の朝刊には、シッティングバレーの女子選手がパラリンピック直前にしてガンの転移で他界してしまったと、そしてチームの思いが掲載されていました。是非、新聞をチェックして、各競技をテレビで応援しましょう。
パラリンピック選手とはまた別ですが、写真を良く見てください。「ガツッ、ガツッ」脚のないサッカー選手たちが固定する松葉杖が石ころだらけの荒れた地面を突く音が聞こえてくるでしょう。激しく接触しているゴールキーパーの方はなんと腕のない若者がつとめています。この写真と記事は以前、読売新聞に掲載されていて、心を揺さぶらせられました。「この写真は常に健常者アスリートの近くに飾っておくべきでは」とも思いました。
西アフリカの小国シエラレオネは2001年に10年に及ぶ内戦が終わったときには6万人が死に、8000人以上が手足を失ったそうです。(このサッカーチームの代表も内戦中に見せしめでオノで右手を切り落とされている) 残酷な内戦を生き抜いても、今度は失業率5割を超す貧困が待っていた・・もちろん障害者に仕事は来ない。それでもサッカーをやる権利は誰にでもある・・・夢と情熱さえ持っていれば。
手や足のない者たちでチームを作った・・・アルバイトで日銭を稼ぎつつ、時には家族が貧困で死んでいくことがあっても、週に1回がむしゃらにサッカーをした。ある者は言った「またサッカーができると分かったときは嬉しかった。貧乏でもサッカーを続けられれば自分に誇りが持てるからね」「ゼッタイに自分でもできると信じ、何回転んでも練習を重ねた・・・」 そして彼らはとうとう、松葉杖サッカーW杯への出場権を獲得したというのです。遠征費を捻出して出場までできたかは知り得ませんが、彼らは、「情熱」と「歓び」という原点を健常者アスリート達に示してくれます。「たとえば脚がなければ腕がある、腕を脚ほどの隆起した筋肉にすればいいこと、それでサッカーができるのならこの上ない歓びだ」と。
ちょっと心理的な壁に当たっては「俺にはここまでか」「サッカーがやめたくなった」などと嘆く平和ボケした日本の弱きアマチュアたちよ、君らは今好きなことをやれているのだから、その「有り難い歓び」をもう一度思い出せ。そしてその「歓喜」に満ち足りて今日を終わり、朝には「歓喜」を「情熱」へと化学変化させて新しい今日を始めろ。この写真の黒光りに隆起する筋肉と舞い上がる砂埃ほどの「情熱」だぞ!
さあ、パラリンピックからもパワーを与えてもらいましょう。