南会津に風が吹く
旅の始まりは電車。東武特急で浅草から鬼怒川温泉、そして旅情をくすぐる「野岩(やがん)鉄道」に乗り換えです。その野岩鉄道、なんと運良くも【語り部列車】なるものに乗車できたのです。「こころのふる里・南会津キャンペーン」に合わせて5月から土曜日に限って運行しているらしく、運行中に車内にて「語りべさん」が会津の昔話を語ってくれるのです。嬉しいおもてなしじゃありませんか。車窓の瑞々しい風景と相まって、もうすでに【アイ
会津】のメーターが上昇中。そしてまた、乗車した列車は永らくお客様の旅のお手伝いをしてきて、この度リタイヤすることとなり、記念の「さよなら運行」となっていました。お疲れ様でした。
「会津高原尾瀬口」や「七ヶ竹登山口」へと続く路線の途中である「上三依塩原温泉口」にて我々は下車し、そこからサイクリングかスタートです。会津西街道の宿場であった「横川」、そしてちょっと(?)きつい「山王峠」をこなし、日光街道をそれて、七ヶ岳手前の山々の麓にあたる「のどかな田舎道」を走ります。(ここらあたりはたぶん「そば」の名産地でしょうか)
まず、「会津田島」駅前に立ち寄り、昼食です。駅前には旨そうな蕎麦屋があったが、混んでいたため、駅のレストランに入る。注文してみたのは、「南会津の野菜畑ラーメン」。やはり、喜多方ラーメンで有名な福島に来たからにはラーメン食べなきゃね。会津グルメのラーメンと会津特産のたっぷり野菜が合体した本品は、薄塩と酸味が効いたさっぱり汁と麺と具の相性がバツグンで「ヘルシー!オイシー!」でした。Y先輩が注文したものは「ソースカツ丼」。大正時代から親しまれてきた会津庶民の味なんですってね。会津も新潟と同様にカツ丼はソースが当たり前なんですね。(伝統会津ソースカツ丼の会公式ウェブサイトはこちらhttp://aizu-katudon.com/index.html)
美味しいものを食べて旅の期待度は200%に達し、さあ次なる峠越え、そしてもう一つと超えて「大内宿」へいざ行かん!!13人の中高老年パワーを見せつけろ![]()
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と走り出すもつかの間、いきなり「パアーン!」という大きな発砲音。「おっ、組同士の抗争が勃発か。いや違う、俺の後輪だ。うわ-、パンクだよ~」 なんと、それもチューブのパンクのみならず、タイヤまで裂けている。最悪のバーストですよ、バースト!!チューブ携帯はしていても替えタイヤまでは持っていないよ。今回は輪行でラクしようという魂胆でY先輩から受け継いだ小径車DAHONで来たから、地方の自転車屋さんではまず扱っていない。というか、自転車屋さん自体が、ここいらの町から無くなっている状態です。ホームセンターの出店と不景気の影響なのか・・・
「手負いとなった自分は行軍の足手まとい。みなさん構わずに先へ行って下さい。さらば、同志よ、靖国で会おう」と、戦列を離脱・・・・とりあえず会津若松の大きな町まで行かなければタイヤが手に入らないということで、列車に乗るために会津田島駅まで一人トボトボと戻る・・
「 うわぁ、次の列車まで40分以上待つ!それに、電話帳で調べた自転車屋さんには列車で1時間以上、その後タクシーだと・・・トホホのホ・・・
」
このときQ太郎のハッピー感は微塵もなくなっていたのでした・・と思いきや・・・「人間万事塞翁が馬」・・・事態は急展開・・・ドラマはここから始まる・・・チャンネルはそのまま・・・・
右も左もわからない砂漠に捨てられた子猫(いや、古狸)が一人で乗り込んだ閑散とした列車。心細さから、こともあろうに、ガラーンとした車両に向かい合わせたうら若き美女に羞恥心のかけらもなくしゃべりかけてしまう・・、汚いサイクリングウェアから漂う「汗と加齢臭ミックス強烈フェロモン」を漂わせているオヤジの戯言を、なんと彼女は天使のように受け止めて下さる・・そこから約1時間、会話に花が咲き、夢のジェットストリームがスタートしたのです。
ひょんなことで乗り込んだ列車は 「会津鉄道」 。途中、観光名所で有名な「塔のへつり」や本日宿泊予定の「湯野上温泉」も通過します。隣駅の「芦ノ牧温泉」には猫の駅長さんがいます。第3セクターの路線なのか運賃が高いのですが、単線の美しい風景と趣のある駅を楽しめます。が、Q太郎は不覚にも車窓を眺めるよりも、美しすぎる女子大生のAさんとの会話の方を取ってしまったのでした。でも、茅葺きの素敵な駅舎がある湯野上温泉駅は桜の頃には凄く綺麗だということなど、彼女から教えてもらって充分![]()
というわけで、「夢の会津鉄道999」によって、タイヤのみならずQ太郎のハートまでバーストしたのでした。幼稚園教師の資格に引き続き、介護士の勉強を頑張っているという彼女。別れ際に「きっと、どこかで再会しますよね」と。「ええ、アナタがきっとりっぱな介護現場の人になって、そこに僕が介護される側で入所するという再会もありですね」と情けない返答。先に下車した彼女が優しく見送って下さったこと、忘れません。勉強ガンバってね。
Q太郎の【元気】折れ線グラフはまた最高ラインを振り切って上昇、自転車屋さんで修理を終え、宿泊地の湯野上温泉へと、彼女からもらったガムを噛みしめて一気に自転車を飛ばしたのでした。
一方、皆さん方は、けっこうきつい峠をこなしたそうですが、楽しみにしていた「大内宿」にも寄ることができたそうです。そこは、江戸時代の宿場の面影をそのままに残している山間集落で、茅葺き屋根の宿、土産屋、蕎麦屋が立ち並び、会津でも有数の観光スポットです。
宿泊は「湯野上温泉・ホテル大坂屋」です。ひなびた旅館ですが、源泉掛け流しの露天風呂は朝までポッカポカにカラダが温まり、宴会のおもてなし料理については、客人に精一杯喜んでもらおうという主人の気心が感じられました。地場の山菜づくし、福島牛、さらには馬刺しまでも出て、目にも舌にも贅沢させてもらいました。
旅館に着く前にQ太郎は、駅前の「渡辺酒食品店」に寄り、福島のマニアックな地酒「風が吹く」の山廃純米吟醸生酒(入荷したばかりのグリーンラベル)を買って来たのですが、みんな「旨い旨い」と絶賛してくれました。この酒店さんは、Q太郎の酒の師匠でもある新潟の友人Kさんが親しくなさっているそうで、また置いている酒のラインアップは素晴らしい限りです。福島ならず、新潟酒にも造詣が深いようです。そして「風が吹く」については、Kさんが最近の日本酒のなかでお気に入りとしてお奨めしていたものです。とにかく絶品です。取り寄せてまた飲みたいと思っていますので、皆さんにも試飲してもらえるかな。
てなわけで、怒濤の初日は終わったのです。次回は続く。






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