仙台でお世話になっている不動産会社の社長は、親類を二人亡くし、さらに一人はいまだに行方不明という。「墓も骨壷ですらもさらわれた。神様とか仏様とかいないんだろうと思った・・」という社長も、隣県の福島については「かわいそうだ。あそこは人がいない・・福島は存続しなくなってしまう・・・」と漏らしました。
そうだ、仕事を一日休ませてもらい、急遽福島にもう一泊しよう。
ということで、福島へ行きました。ゴールデンウィーク明けということもあるが、観光バスは帰るまでに1台も会わなかった。行き帰りの東北道は、自衛隊の車両と赤色灯を回す警察車両の隊列ばかりが目立ち物々しいが、少し入り込んだ一般道路は車も人も気配が薄くて寂しいばかり。
当日予約した宿泊地は「磐梯熱海」。せっかくだから少し足を伸ばして、動乱に翻弄されて短い生命を落とした「白虎隊」の地を久々に訪れてみよう。ということで、「飯森山」と白虎隊の学舎でもあった「會津藩校・日新館」に行ってみたが、やはり閑散としています。日新館にいたっては、駐車場から降りた途端「休館日?」と思ったほど。前日に立ち寄った宮城県の松島はまだそれなりに観光客も戻っていましたが、会津地方まで含めた福島の観光地は悲しい現状です。
日新館には会津藩の「什(じゅう)の掟(おきて)」という良い訓告があります。その打ちの3つは、どこかのお偉いさんしっかりと聞かせてやりたい!!
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
お偉いさん達よ!あなたたち!ならぬことはならぬものなのですよ!!
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観光気分など全くない空虚な気持ちでホテルにチェックインし部屋に通され、まだ二十歳そこそこの仲居さんと会話すると、その子の実家は川内村。そう、一時帰宅でニュースにも出ていたばかりの避難地域。祖父母は今、青森の親類に身を寄せ、父母は千葉の身寄りに避難していており、一家離散の状況。気丈に話す仲居さんにかける言葉は「がんばりましょう」というたった一つの言葉しかみつからず、傍らで母が嗚咽とともにやはり「がんばりましょうね」と、やっとのことで声をしぼりだす・・・。
ホテルの部屋でテレビを付けると、画面の左と下の欄には常に「放射線量情報」が出ている。そういえば車で「FMふくしま」を聞いている時も、ニュースの時刻にはニュースの前にまるで天気予報のように「○時○分現在の各地の放射線量をお知らせします」が当然のごとくアナウンスされている。現地に来てみなければわからない「現実」なのです。
ホテルは一般客はほとんどおらず、原発作業の電力会社員や警察の機動隊員でいっぱいです。背中に「関西・○○」とか「中部・○○」とか電力会社名と氏名を貼り付けている作業服でホテルに帰還してきた人たちは、食事会場でもビールで乾杯しているわけでなく、もくもくと食べて退場していきます。大浴場もそれぞれ静かにさっとつかって出て行く。翌朝の朝食会場で食べる姿も自分と同様の普通のおじさんたちなのだが、作業服を着て、きっちりしばったビニル袋に入れた長靴を持ってフロントから「戦地」へ出動して行く姿を見て、「これが福島の現状」だとあらためて知らされる。「あんたたち、頼む。原発を、日本を救ってくれ。頼みます!」
大本営(政府・東電幹部)はどこまでこの原発兵士たちの「忘我」の姿勢、そして東北県民の日常をわかろうとしてくれているのだろう。(天皇・皇后両陛下の被災者と膝を交えるお姿だけが救いであった。この時は「日本に生まれて良かった」と思えた・・・)
就寝中には2度、エリアメールがけたたましく鳴って飛び起きていました。会津は福島市や郡山市に比べても放射線量が10分の一ですが、こういう状況ではまだなかなか観光客は集められないでしょうか。前日に立ち寄った宮城県松島はだいぶ観光客も戻っていましたが、福島はぽっかりと空洞化しています。
行き帰りの車のラジオに流れる「I love you & I need you ふくま」(by 猪苗代ズ)は寂しくも温かい応援歌。
でも、 「誰かのせいにすることを、自分のせいにして立ち上がろう」という「福の歌~頑張っぺver.」は、力強くも悲しすぎるエールです。皆さん、聞いて下さい、歌詞を噛みしめて下さい。http://www.youtube.com/watch?v=M_U1WB7fq7o
がんばっぺ、ふくしま。負けでたまっか!